離婚給付契約公正証書の作成

公正証書は勝訴判決書と同じ力

 

離婚協議書に記される内容はどれをとっても離婚後のあなたの生活にとって大切なことです。

 

特に金銭の支払い約束に関する契約は大事です。

 

しかし、離婚協議書は私人間の契約書であり、相手が約束を破れば契約をした証拠にこそなれ、その約束を強制する力はありません。

 

離婚協議書に強制執行認諾約款付公正証書(以下公正証書)を作るという条項を加えてください。

 

この公正証書には、離婚協議書の弱点を補う強い力があり、金銭の支払い約束を守ってもらえなければ地方裁判所へ裁判なしで強制執行の申立てができます。

 

そして、その結果として約束を守らない相手方の預貯金、給与等の差し押さえができ、約束された金銭の支払いを得ることができます。

 

さらに、公正証書の作成することには、それ以外の効用もあります。

 

公正証書の多面的な効用を記しました。

 

ご参考になさってください。

 

公正証書五つの効用

 

公正証書の効用は下記の通りです。

 

1.  強制執行認諾約款付公正証書があれば金銭の支払約束違反に対し即、裁判なしで地方裁判所へ強制執行の申し立てをすることができます。

 

2.  公正証書の存在が相手方に約束は破れないという意識を植え付けます。

 

3.  公正証書に年金分割の記載があれば分割を求める方が1人で分割申請の手続きができます。

 

4.  公正証書は法を遵守した内容で作成されますので、作成上の間違いを防げます。

 

公正証書は法律専門家の公証人(※)が契約の内容をチェックして作成する公文書です。

 

当然に作成される公正証書の内容と文面は、夫婦二人で作る離婚協議書と比べ、間違いないものとなります。

 

5.  公正証書は公証役場において原本が20年間、厳重に保管され、変造・紛失の心配がありません。

 


※  公証人は法務局所属の公務員です。

裁判官、検察官、法務局幹部職員等のOBから選ばれ任用されることが大半で、法律のプロと言える方々です。

 

公正証書の作成は時間とお金がかかりますが、将来の不安を軽減する大切な契約書を作ることです。

 

是非、作成されることをお勧めいたします。

 

公正証書の作成を求める別の意味

 

強制執行認諾約款付公正証書が、私人間の契約である離婚協議書に比べ強力で安全安心に近いものと理解して頂けたでしょうか?

 

ところで、この公正証書の作成を求めることで、相手方の約束を守る姿勢と誠意を探ることができます。

 

相手方に離婚協議書で約束されたことを実行する覚悟があれば、公正証書の作成に若干の時間と費用負担があること以外、公正証書の作成を拒む理由はありません。

 

もし、それを拒むのであれば、離婚協議書の約束が履行され続けるか不安が残ります。

 

その場合、離婚条件を確かなものとするため離婚調停の申立て、または離婚問題を得意とする弁護士への相談の必要があるかもしれません。

 

仙台/宮城離婚相談室は離婚協議書作成サポートとともに公正証書作成サポートも承っております。

 

 

次ページは清算条項についてです

 

清算条項の記載によって、その時点で双方の債権債務は確定するということです。

 

この条項が有れば、その後に判明した債権債務について、いかなる理由があっても、主張できなくなる最重要なものです。

 

ご参考になさってください。