第三者への慰謝料請求

夫婦関係を危うくした者への慰謝料請求

 

不倫に対する慰謝料請求は、離婚原因にかかわる問題ですのでご説明いたします。

 

第三者への慰謝料請求でよく知られているのが、配偶者のある異性と性的関係に及んだ不倫は、精神的苦痛を与えた不法行為による損害賠償として慰謝料の支払い義務を負うということです。

 

これは離婚原因とならずとも負う義務です。

 

また、姑のいびりなど親族のいじめが原因で、夫婦関係が壊れ離婚に至った場合、その原因を作った者も慰謝料を支払う義務が生じます。

 

ところで、この慰謝料はどの程度請求できるかが問題となりますが、これは事案によってまちまちで、確実な相場はありません。

 

ただ、不倫などでは、裁判になりそれが認められた場合概ね100~300万円が多く、したがって、裁判によらず話し合いで慰謝料を決める場合でもその範囲が多いようです。

 

ちなみに、裁判所が具体的に慰謝料額を決めるにあたっては、次のような事情を考慮しているようです。

 

  •  交際の経緯  
  •  交際の期間  
  •  交際に対してどちらがより積極的であったか  
  •  不貞行為が夫婦に与えた影響(離婚、別居に至ったか) 
  •  夫婦間に子どもがいる場合、子どもに及んだ影響

 

この慰謝料をどのように請求するかについては、

 

内容証明郵便で請求を行い、相手が話し合いに応じれば話し合い、応じなければ調停、裁判という流れをとることが多く、相手および交際の態様をみて話し合いがこじれそうであれば、早々に専門の弁護士に相談することがベストでしょう。

 

なお、不倫など不法行為による損害賠償請求の時効は、損害および加害者を知ったときから3年です。

 

配偶者の不倫相手への離婚慰謝料

 

不倫が原因で離婚した場合、元配偶者の不倫相手から受けた精神的苦痛の慰謝料とは別に、それが原因で離婚に至ったとして離婚慰謝料が請求できるかについては、

 

2019年2月19日の最高裁判決において不倫相手が不当な干渉をした結果、やむを得ず離婚をしたなど特段の事情がなければ請求できないと判示されています。

 

ただし、これまでの裁判では、不倫の不法行為に対する慰謝料にプラスして、その不倫が原因で離婚に至ったと認定されれば慰謝料が加算されていることを知っておいてください。